タバコと薄毛の関係

台湾での調査からわかったタバコと薄毛の相関関係

タバコと薄毛の関係の調査結果

台湾で740人の40歳から91歳(平均年齢65歳)の男性を対象に行われた調査によると、タバコと薄毛に強い相関関係がみられたそうです。調査を実施したのは皮膚科医のLin-Hui Su氏と台湾国立大学のTony Hsiu-Hsi Chen氏です。この調査結果は「Archives of Dermatology」誌2007年11月号に掲載され、薄毛関連では現在最もホットな話題となっています。

調査では、ノーウッド分類で薄毛の進行度合いが測定され、個人インタビューやアンケートでタバコ喫煙状態やその他男性型脱毛症に関係しそうな項目を調査したそうです(血液サンプルも調査)。男性型脱毛症の第一原因と考えられる「遺伝」の要素を調査から取り除くため、「家族歴」が均等になるようにコントロールしながら、様々な項目と薄毛の関連性を統計的手法で測りました。そうすると「ノーウッド分類の薄毛進行度」と「タバコ喫煙の有無」、「タバコを1日20本以上喫煙する」、「喫煙の強さ」の項目が、強い統計的相関関係を示したそうです。当たり前ですが、「ノーウッド分類の薄毛進行度」と「一等親血縁者の薄毛有無」、「二等親血縁者の薄毛有無」も統計的相関関係を示したそうです。

あくまで統計的相関関係が出ただけなので、タバコがどのように薄毛に関係するかの原理までは証明されていません。恐らく髪の成長を司る毛乳頭に、何らかの方法でダメージを与えるのではないかと結論付けられています。このレポートが掲載されてから、数多くのネット上の記事で、タバコが薄毛の犯人であるかのように書き立てられています。タバコは別の健康上の問題や、臭いで他人に不快な思いをさせることを思うと、控えられるべきものだと思います。でも、この調査だけでタバコが薄毛の原因になると結論付けるのは、少し短絡的な印象を受けます。

場合によっては、タバコを好んだりニコチン中毒になりやすい人と薄毛になりやすい人の遺伝子が似ているのもしれません。また、台湾には台湾語と中国語の2言語があることからも分かるように、元々台湾に住んでいた人々と中国からの移民が混ざった人種であるため、例えば「元々台湾に住んでいた人々が薄毛の遺伝子が強くてタバコも好きである」などの人種による違いが相関関係の原因であることも考えられます。また、比較的上流の先進的な考え方をする人々に嫌煙家が多く、それらの人々には薄毛の遺伝子が弱いなどの相関関係も考えられます。そのため、ただ統計的相関関係が出たからといって、タバコが薄毛の「原因」であるとは結論付けられず、別の原因もこのように沢山考えられます。科学的にタバコが薄毛に影響する何らかの原因がみつからない限り、相関関係だけではまだ証明されたことにはならないといえます。